関西電力送配電は2026年2月2日、「関西電力送配電DX戦略2026」を策定したと発表しました 。同社は2050年頃に向けた長期的なありたい姿として、従来の送配電事業の枠を超え、デジタル技術とデータを軸に多様な価値をつなぐ「エネルギープラットフォーマー」への進化を掲げています 。
この新戦略では、脱炭素化の進展や自然災害の激甚化、分散型電源の拡大といった事業環境の劇的な変化に対応するため、既存事業の抜本的な変革を図ります 。具体的には「データの蓄積と徹底的な活用」「Agile Win(アジャイルによる迅速な成果)」「刷新によるシステムの次世代化」という3つの変革アプローチを柱に据え、送配電業務全般の安全、正確、迅速な遂行を目指します 。
2027年度までにDX推進人財を約1,800名育成へ
DXを支える基盤として、同社は人財育成に関する具体的な数値目標を公表しました 。2027年度末までに、ビジネス変革を主導できる「DX・X・D人財」などの専門レベル人財を約40名(現状2名)、DXを推進するために必要なリテラシーを備えた推進レベルの人財を約1,800名(現状約150名)育成することを目指します 。
また、迅速なPoC(概念実証)や高度なデータ分析を内製化するため、データサイエンティスト、データコンシェルジュ、DXアプリ開発者、生成AIエンジニアの4類型からなる「高度専門人財」の強化も図ります 。これらの人財を、現状の4名から2027年度には30名程度まで増員・確保する計画であり、外部パートナーへの依存度を下げ、自社主導の変革体制を構築する方針です 。
クラウド化によるレガシー脱却とデータプラットフォームの構築
技術環境の整備においては、従来のレガシーシステムから脱却し、拡張性と柔軟性を備えた次世代ITインフラへの移行を推進します 。クラウド化を軸にAPI整備や外部連携機能を強化し、電力需給状況、気象情報、スマートメーターの計量値、設備情報といった膨大なデータを一元的に管理・活用できる環境を整えます 。
将来的には、これらの蓄積されたデータを社内だけでなく他社も活用できる「データプラットフォーム」へと発展させ、新規ビジネスの創出や社会課題の解決に寄与することを目指します 。なお、大手電力10社の2025年4〜12月期決算における親会社の関西電力の最終損益は、販売競争の影響などを受けつつも3,401億円(前年同期比6.1%減)を確保し、ROE(25年3月期予想)は15.7%となる見通しです。
出典:https://www.kansai-td.co.jp/corporate/press-release/2026/pdf/0202_1j_02.pdf