不動産経済研究所は、2026年4月20日、2026年3月度の「首都圏新築分譲マンション市場動向」を発表しました。
調査結果によると、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県における発売戸数は1,425戸となり、前年同月(2,210戸)比で35.5%の大幅な減少となりました。また、前月比でも19.1%減少しており、供給側の抑制傾向が鮮明となっています。
初月契約率は64.5%に低下
販売の勢いを示す初月契約率は64.5%となり、好不調の目安とされる70%を下回りました。前年同月比で11.7ポイントの大幅ダウン、前月比でも7.2ポイント低下しており、購買意欲の減退がうかがえます。
供給戸数の減少に加え、契約率も低下したことで、在庫の消化スピードに変化が生じているとしています。資材価格や人件費の高騰を背景に販売価格が高止まりする中、消費者の選別眼がより厳しくなっている状況です。
【解説】マンション価格の変動要因と今後の展望
今後のマンション価格は、建築コストの押し上げ圧力と、金利上昇による需要抑制のバランスによって決まると予測されます。主な変動要因は以下の通りです。
📈 上昇要因
- 建築コストの高騰: ウッドショック以降の資材高や、職人不足に伴う人件費の上昇が新築原価を押し上げています。
- 円安と海外需要: 円安の継続により、海外投資家にとって日本の不動産が割安な資産として映り、都心の好立地物件を中心に購入需要が集中しています。
- 利便性への需要集中: 共働き世帯の増加により、駅近やタワーマンションなどの限定的なエリアへの需要が依然として高い状態です。
📉 下落要因
- 住宅ローン金利の上昇: 最大のリスク要因です。金利が上がれば購入者の返済負担増から購入意欲が低下し、価格を下押しします。
- 人口減少とエリア格差: 人口減少に伴い、郊外や利便性の低いエリアでは需要が縮小し、価格維持が困難になるリスクがあります。
- 供給調整と建物劣化: 在庫の積み上がりや、旧耐震基準の物件、管理状態の悪い物件は市場評価が下がりやすくなります。
2026年以降は、建築コストに支えられた「高値の維持」と、金利上昇に伴う「需要の冷え込み」が混在する展開が予想されます。都心などの超一等地区では高止まりが続く一方、郊外や築古物件は下落リスクにさらされるという、二極化が加速する可能性が高いと考えられます。
出典:https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/672/tIh1a6w1.pdf